『吾輩は猫である』七章より2023年12月20日

(略)
 横町を左へ折れると向ふに高いとよ竹の様なものが屹立して先から薄い烟を吐いて居(ゐ)る。是即ち洗湯(せんたう)である。吾輩はそつと裏口から忍び込んだ。裏口から忍び込むのを卑怯とか未練とか云ふが、あれは表からでなくては訪問する事が出来ぬものが嫉妬半分に囃し立てる繰り言である。昔から利口な人は裏口から不意を襲ふ事にきまつて居る。紳士養成方(しんしやうせいはう)の第二巻第一章の五ページにさう出て居るさうだ。其次のページには裏口は紳士の遺書にして自身徳を得るの門なりとある位だ。吾輩は二十世紀の猫だから此位の教育はある。あんまり軽蔑してはいけない。偖(さて)忍び込んで見ると、左の方に松を割つて八寸位にしたのが山の様に積んであつて、其隣りには石炭が岡の様に盛つてある。なぜ松薪(まつまき)が山の様で、石炭が岡の様かと聞く人があるかも知れないが、別に意味も何もない、只一寸山と岡を使ひ分けた丈である。人間も米を食つたり、鳥を食つたり、肴を食つたり、獣を食つたり色々の悪もの食ひをしつくした揚句遂に石炭迄食ふ様に堕落したのは不憫である。(後略)

久し振りに見た言葉2023年12月20日

・「指揮権発動」
・「テ・タ・テート」

この「tête-à-tête」はフランス語。筆者は、E・クイーンの作品で知った。国名シリーズのどれかだった筈だ。
英訳すれば「face to face」。日本語では「膝を交えて」とか「膝突き合わせて」と言った感じだろうか。「膝詰談判」では無い、念の為。

フランス語では「頭」、英語では「顔」、日本語では「膝」になるのが少し面白い。

宗教に関して2023年12月20日

あれ、抑もは「一神教」じゃ無かったの?

戦時中の標語2023年12月20日

「進め一億、火の玉だ!」!

→ 「進め一億、人魂だ」

・追記(21日)。

「贅沢は敵だ!」

→「贅沢は素敵だ」

――無論、何が「素敵」なのかは、人それぞれである。