「ブラウン神父シリーズ」より 22023年11月25日

'But I thought you believed in miracles,' broke out the secretary.
'Yes,' answered Father Brown, 'I believe in miracles. I believe in man-eating tigers, but I don't see them running about everywhere. If I want any miracles, I know where to get them.'

――「The Miracle of Moon Crescent」(『The Incredulity of Father Brown』所収)。


「でも、あなたは奇蹟を信じておいでだと思いましたよ」と突然秘書が叫んだ。
「さよう」とブラウン神父は答えた――「わしは奇蹟を信じます。人喰い虎を信じます――したが虎はどこにでも走りまわっているものではない。わしは奇蹟が欲しいときはどこで手に入れられるか知っとります」

――村崎敏郎訳「新月荘の奇蹟」。

『相棒』に関して 62023年11月26日

"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship."

『カサブランカ』(1942年)は、十代の頃、NHK教育(現・Eテレ)の字幕放送で観た。
登場人物が個性的なキャラクターばかりで、場面の変化にも富み、異国情緒も漂って面白かった記憶がある。

冒頭の1行は、言わずと知れたラスト・シーンの台詞。
和田誠『お楽しみはこれからだ』(1975年)に依れば、複数の訳がある。

・「ルイ、これが友情の始まりだな」
・「くされ縁だ」

「持つべきものは友だな」と言う字幕も見た記憶がある。まあ、「会話のニュアンス」に関しては観客側の受け止め方にも個人差があるだろう。

・追記(27日)。

ポイントは、「beautiful」と言う単語だろう。
この語に依り、「お美しい友情」みたいな皮肉っぽい感じのユーモアを醸し出すわけだ。

・蛇足(29日)。

今回は「リック矢木」かな?
……と言うより、「ボギー矢木」だろう、結局のところ。

・試訳(30日)。

 「どうやら麗しき友情の始まりのようだな」。

原語のニュアンスには近いと思うが、「字幕」としては字数超過だろう。「秒数」と「字数」の関係には、厳格な制限があるそうだ。

地球に関して 162023年11月28日

渇水した湖沼(ダム湖含む)の様子を見て思い出す映像作品。

・『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」。
・『悪魔くん(実写版)』第4話「大海魔」。

「映像」として興味を惹かれないと言えば嘘になるが、やはり「ヤバい」と言う感情が勝るのは間違いない。

第二百四十五段2023年11月28日

昨今、あちらこちらで「ヒューマン・エラー」が多発しているらしい。
しかも、普通に作業していれば起こらないようなミスが。

理由は、概ね二つに分かれるようだ。

1)所謂「うっかりミス(careless mistake)」。
2)基本的な知識・伎倆の欠如。

映画『タワーリング・インフェルノ』は、コスト削減の為、建材(?)および工程に関して、「こっそり」手を抜いたのが原因だった。
――その差額がどうなったかは覚えていないが。

……「いやぁ~メンゴメンゴ」じゃ済まない場合もある。

第二百四十六段2023年11月29日

「戦闘神経症(shell shock)」と言う言葉があった。
現在では、日本語でも「シェル・ショック」と言うそうだ。

所謂「PTSD」の一種らしい。
コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の短篇の登場人物には、この患者(?)が時々出て来る。
ウールリッチ作品の登場人物の場合、第2次大戦の従軍経験が主な原因のようだが。