第二百五十八段 ― 2024年02月28日
可愛い55歳の息子(職業:暴力団幹部)の為に、81歳の母親が覚醒剤密売に協力したそうだ。
まことに微笑ましくも麗しい、伝統的な日本の家族の絆である。
まことに微笑ましくも麗しい、伝統的な日本の家族の絆である。
・改稿(推敲)ヴァージョン(29日)。
可愛い55歳の息子(職業:暴力団幹部)の為に、81歳の母親が覚醒剤密売に協力したそうだ。
まことに仲睦まじくも微笑ましい、伝統的な麗しき日本の家族の姿である。
まことに仲睦まじくも微笑ましい、伝統的な麗しき日本の家族の姿である。
――我が日本国の誉れと称して良かろう。
「吾輩は猫である」より ― 2024年02月28日
『吾輩は猫である 四』。
「(略)やがて下女が持つて來た名刺を見て、主人は一寸驚ろいた樣な顏付であつたが、こちらへお通し申してと言ひ棄てゝ、名刺を握つた儘後架へ這入つた。何の爲に後架へ急に這入つたか一向要領を得ん、何の爲に鈴木藤十郎君の名刺を後架迄持つて行つたのか猶更説明に苦しむ。兎に角迷惑なのは臭い所へ隨行を命ぜられた名刺君である。
(略)
吾輩と鈴木君の間に、斯の如き無言劇が行はれつゝある間に主人は衣紋をつくろつて後架から出て來て「やあ」と席に着いたが、手に持つて居た名刺の影さへ見えぬ所を以て見ると、鈴木藤十郎君の名前は臭い所へ無期徒刑に處せられたものと見える。名刺こそ飛んだ厄運に際會したものだと思ふ間もなく、主人は此野郎と吾輩の襟がみを攫んでえいと許りに緣側へ擲きつけた。(略)」
『同 七』。
「(略)行き當りを見ると一間程の入口が明け放しになつて、中を覗くとがんがらがんのがあんと物靜かである。其向側で何か頻りに人間の聲がする。所謂洗湯は此聲の発する邊に相違ないと斷定しながら、松薪と石炭の間に出來てる谷あひを通り拔けて左へ廻つて、前進すると右手に硝子窓があつて、其そとに丸い小桶が三角形卽ちピラミッドの如く積み重ねてある。丸いものが三角に積まれるのは不本意千萬だらうと、竊かに小桶諸君の意を諒とした。(略)」
・附記。
虫や草花に親近感を覚える人は時々いるようだが、「名刺」や「桶」のような無生物にシンパシー(sympathy)を感ずる猫はあまり見かけないようだ。
「(略)やがて下女が持つて來た名刺を見て、主人は一寸驚ろいた樣な顏付であつたが、こちらへお通し申してと言ひ棄てゝ、名刺を握つた儘後架へ這入つた。何の爲に後架へ急に這入つたか一向要領を得ん、何の爲に鈴木藤十郎君の名刺を後架迄持つて行つたのか猶更説明に苦しむ。兎に角迷惑なのは臭い所へ隨行を命ぜられた名刺君である。
(略)
吾輩と鈴木君の間に、斯の如き無言劇が行はれつゝある間に主人は衣紋をつくろつて後架から出て來て「やあ」と席に着いたが、手に持つて居た名刺の影さへ見えぬ所を以て見ると、鈴木藤十郎君の名前は臭い所へ無期徒刑に處せられたものと見える。名刺こそ飛んだ厄運に際會したものだと思ふ間もなく、主人は此野郎と吾輩の襟がみを攫んでえいと許りに緣側へ擲きつけた。(略)」
『同 七』。
「(略)行き當りを見ると一間程の入口が明け放しになつて、中を覗くとがんがらがんのがあんと物靜かである。其向側で何か頻りに人間の聲がする。所謂洗湯は此聲の発する邊に相違ないと斷定しながら、松薪と石炭の間に出來てる谷あひを通り拔けて左へ廻つて、前進すると右手に硝子窓があつて、其そとに丸い小桶が三角形卽ちピラミッドの如く積み重ねてある。丸いものが三角に積まれるのは不本意千萬だらうと、竊かに小桶諸君の意を諒とした。(略)」
・附記。
虫や草花に親近感を覚える人は時々いるようだが、「名刺」や「桶」のような無生物にシンパシー(sympathy)を感ずる猫はあまり見かけないようだ。