音楽に関して 22023年03月03日

第百六十三段の続き。

レスター・ヤング(Lester Young)に関しては以前少し触れた。
「プレス(Pres)」と言うニックネームが有名。「President」の略である。命名は「Lady Day」ことビリー・ホリデイ(Billie Holiday)だそうだ。

『Pres on Keynote』と言うリーダー・アルバムがある。タイトルどおり「Keynote レーベル」で録音した LP。以前は日本盤も出ていた。
このアルバムに「Sometimes I'm Happy」と言う曲が収められている。最後の8小節のソロは複数のジャズ・ミュージシャンに引用されているのを耳にした。
この『Portraits of Duke Ellington』に収録された「Don't Get Around Much Anymore」でも、レイ・ブラウン(b)が引用している。いわゆる「サビあと」の2小節である。

第百六十七段2023年03月12日

なお、映画『海底軍艦』などに登場する主役メカの名称は「轟天号」だが、押川春浪の小説では「電光艇」である。

・追記。
この名は「電光影裏斬春風(でんこうえいりにしゅんぷうをきる)」と言う言葉に由来する。

・追記の追記(19日)。
『吾輩は猫である』九章より。
迷亭と苦沙彌先生の会話。

(前略)
「此間(このあひだ)来た時禅宗坊主の寝言見た様(やう)な事を何か云つてつたらう」
「うん電光影裏に春風をきるとか云ふ句を教へて行つたよ」
「其(その)電光さ。あれが十年前からの御箱(おはこ)なんだから可笑いよ。無覚禅師(むかくぜんじ)の電光ときたら寄宿舎中誰も知らないものはない位だつた。夫(それ)に先生時々せき込むと間違へて電光影裏を逆さまに春風影裏に電光をきると云ふから面白い。今度ためして見玉へ。向うで落ち付き払つて述べたてゝ居る所を、こつちで色々反対するんだね。するとすぐ顛倒して妙な事を云ふよ」
「君の様ないたづらものに逢つちや叶はない」
(後略)

同 十一章より。
迷亭と八木独仙の、烏鷺を戦わせながらの会話。

(前略)
「君は最初から負けても構はない流(りう)ぢやないか」
「僕は負けても構はないが、君には勝たしたくない」
「飛んだ悟道だ。相変らず春風影裏に電光をきつてるね」
「春風影裏ぢやない、電光影裏だよ。君のは逆(さかさ)だ」
「ハヽヽヽもう大抵逆(さ)かになつていゝ時分だと思つたら、矢張り慥(たし)かな所があるね。それぢや仕方がないあきらめるかな」
「生死事大(しやうしじだい)、無常迅速、あきらめるさ」
「アーメン」と迷亭先生は今度は丸で関係のない方面へぴしやりと一石を下した。
(後略)

イプセン『ペール・ギュント』冒頭2023年03月24日

『ペール(ペエア)・ギュント』邦訳2種の冒頭。

・茅野蕭々訳。

オオセ  ペエア、お前嘘を吐いてるね。
ペエア・ギュント  〔立ち止まらずに〕うんにや、嘘なもんか。
オオセ  それでは誓ふか、眞實(ほんたう)だと。
ペエア・ギュント  何だつて誓ふんだ。
オオセ  へん、嘘にきまつてなけれや、誰が聞き返したりする?
ペエア・ギュント  〔立ち止る〕だつて、眞實(ほんたう)なんだ、――誓ふとも。
(以下略)


・楠山正雄訳。

オーセ  嘘だよ、ペール。
ペール・ギュント  〔立ち止まることなしに〕うゝん、うゝん、嘘なんかつくもんか。
オーセ  そんなら誓ふか、ほんたうだと。
ペール・ギュント  なんだつて誓ふのだ。
オーセ  ふん、それ見ろ、誓へまい。てんから嘘にきまつてゐるのだ。
ペール・ギュント  〔立ち止まる〕だつてほんたうだもの――誓へなら誓ふよ。
(以下略)

音楽に関して 32023年03月24日

んで、5番1楽章再現部の冒頭をフレンチ・ホルンでプレイしているオケは今でもあるのかな?

…まあ、音色的および当時の物理的な楽器のメカニズムを鑑みるに、リクツとしては尤もとは思うが。

第百六十八段2023年03月24日

あれ?

「漢民族」が、いつのまに「中華民族」になっちゃったの?

……筆者のように「名誉白人ごっこ」にかまけてる人間には理解不能だが。