森田思軒『十五少年』より2023年01月25日

    例言

一 是篇は佛國ジユウールスヴエルヌの著はす所『二個年間の學校休暇』を、英譯に由りて、重譯したるなり。
一 譯法は詞譯を舎(す)てゝ、義譯を取れり、是れ特に達意を主として修辭を從としたるを以てなり。
一 篇中の繍像(しうざう)は多く漣(さゞなみ)君の意匠を煩はせり。余が原書にある所を擇取して以て畫工の考に資せる者、亦一二はあり。

  明治廿九年十一月廿八日夜根岸の僑居に於て
            思軒居士